2005年12月05日/ イベント

ポエトリーリーディング 「現代詩に声を取り戻そう」 報告

ポエトリーリーディング 「現代詩に声を取り戻そう」 報告 昨日、12月3日土曜日、明治学院大学にて行われたポエトリーリーディングのイベントに行ってきました。詩の朗読会なるイベントに参加したのは初めてで、とても新鮮で面白かったです。第2部の途中からの参加で、全体像はよくわからないので、一部だけ報告したいと思います。

 体育館みたいなフロアのホールに、いすが無造作に並べられていて、舞台はなく、朗読者と聴衆は地続きでした。ホールはそんなに広くなくて、よく響いていました。立って朗読する形式だったので、疲れないのかなと気になりましたが、要らぬ心配だったかもしれません。持ち時間は、お一人15分ほどでした。

 朗読を聴きながら、絵本を読んでもらっている子どもはこんな気分なのかな、と思っていました。詩には絵本のような筋はないので、全く同じではないかもしれませんが、声によって立ち上がった言葉の世界に浸る心地よさというか、朗読者と聴衆の共有する空間は、明らかに日常とは別の世界となっているように感じました。詩の始原の世界を垣間見た気がしました。

 この日、一番関心を持って聴いたのは、沖国大文芸部のご出身で、詩誌「1999」の同人、トーマ・ヒロコ氏の詩です。詩集『ラジオをつけない日』から数篇読まれました。トーマ氏の詩は、具体的で身近な情景が描かれる中にぴりっと辛いものがあって面白く、とても刺激を受けました。いずれ、詩そのものについても、引用しつつ感想を書きたいと思います。

 最後は、天沢退二郎氏の朗読でした。2001年に発表された「コオロギとカラスの対話」が特に面白くて、朗読中も笑いがあちこちから漏れ聞こえ、終わると同時に会場の爆笑を誘っていました。未発表の詩も朗読されました。

 終了後、トーマさんに声をお掛けして、少しお話することができました。会場の片付けも始まり、慌しい中だったので、また機会があったら、ぜひゆっくりお話を伺いたいです。

 気がつけば、天沢先生が、会場に残って談笑している関係者に赤ワインを注いでまわっておられ、トーマさんの隣にいた私まで光栄に与ってしまいました。参加してよかった。

(写真: 多摩川に流鏑馬が来た! 流鏑馬と詩の世界には似たところがあると思った。クリックできます)


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Posted by あゆ at 12:11│Comments(4)
この記事へのコメント
ここに初めて書き込みます。

ポエトリーリーディングへ行って来られたのですね。
できることなら私も是非朗読を聞きたかったです(^^)
朗読というものは本当に面白いものですよね。
私は詩はうただと思っているので、詩が声に出されることが詩の本来の姿なのかなと思います。

この度、うちのサイトに沖縄文学館のリンクを貼らせていただきました。
よろしくお願いします。
Posted by 信太朗 at 2005年12月06日 13:44
信太朗さん、ようこそ!
本当に、詩って読まれると、魚が水を得たみたいになりますね。
いつか、信太朗さんの朗読もお聞きする機会があればと思います。

リンクもありがとうございました。こちらからもリンクさせていただきますね。リニューアルをお待ちしていました。
Posted by あゆ at 2005年12月06日 15:26
流鏑馬と詩。・・・うーむ。
Posted by びん at 2005年12月10日 01:09
この日は、流鏑馬を見たその足で朗読会、と非常に文化的な一日を過ごしたのですが(笑)、朗読する詩人の姿が、馬上で限界まで集中して背筋をまっすぐに保ちつつ矢を放つ射手の姿と重なったんです。
Posted by あゆ at 2005年12月11日 14:24
 
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