伊豆味の豊年祭

あゆ

2007年10月06日 07:00

 これまで、8月の後半から9月前半にかけて帰省することが多かったのですが、今年はいろいろと用事が重なり、9月後半に帰りました。この時期に沖縄にいるのは、東京に出てから初めてのことです。

 そんなわけで、今までにない体験もできました。先月18日の火曜日に見に行った、本部町伊豆味の豊年祭もそのひとつです。4年に一度のお祭りで、小中学校(一緒なのです)の隅に舞台と客席がしつらえられ、地元から外から大勢集まっていました。

 道ジュネーには残念ながら間に合いませんでしたが、ちょうど婦人会の踊りや、男性の棒術が始まるころに着きました。階段にブルーシートとゴザの敷かれた、温かみのある客席で、おやつをつまみながら楽しみました。一番感動したのは、父親(棒)と息子(釵:さい)による親子の手合わせ。「~さんは、~さんの娘さんです」「~さんは、~県の出身ですが、いまではすっかり伊豆味んちゅです」といった解説も微笑ましかったです。

 18時からは舞台です。出し物が行われた広場にビールケースが並べられ、その上に長い板が手早く敷かれて、あっという間に新たな客席が現れました。

 最初は踊り。お馴染みの古典に加え、伊豆味にしか伝わっていないといわれる「長伊平屋節(ながいひゃーぶし)」「大願口説(だいぐゎんくどぅち)」も見られました。前者はゆったりとした女踊り。17分かかるので、みんなその間にご飯を食べに行く、という冗談を聞いたのですが、あまり長く感じませんでした。後者はスピーディーな二才踊りで、飛び跳ねつつ足元を扇でひらひらさせる所作が独特です。とても短く、あらあら面白いと思っている間に終わりました。

 次に、組踊り「代山敵討」。実は初めての組踊り体験でした(そして金曜、首里城の中秋の宴にて2度目の体験ができました)。筋もわからず、言葉もほとんどわかりませんでしたが、組踊り特有の台詞回しが面白かったです。

 最後の出し物は、操り獅子です。これについては、ryuQのページなどにも説明があります。以前に海洋博で披露されたときに見た私の父が、あのときより時間が短くなっていた、と言っていました。

 ここまで終わると、もう23時を回っていました。小さい息子も一緒だったので(飽きもせず、ずっと最前列に陣取っていました。子どもの集中力には恐れ入ります)、特別な夜ももう終わり。最後のカチャーシーは失礼して、会場を後にしました。

 祭りのあとに、地元の方と少しお話する機会がありました。そのときに、祭りに関する問題の一端についても聞くことができたのは、本当に貴重な体験でした。不満や疑問も抱えながら、それでもみんなで祭りを作っていく。そして、出し物のたびに一人一人の名前が挙げられることからもわかるように、誰もがかけがえのない個人として認められている。生きた共同体だなと思いました。

 豊かさを少しわけてもらったような気がしたお祭りでした。

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